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石田 恒
Proceedings of the International Conference on Bioinformatics 2002 (CD-ROM), 6 Pages, 2002/02
核酸などの強い静電相互作用を持つ生体高分子の分子動力学には、高速かつ高精度なアルゴリズムが不可欠である。今回、静電相互作用を能率的に取り扱いながら時間ステップを増大するため、高速多重極子展開法(FMM)とマルチ時間ステップ法(MTS)を併用するアルゴリズムを構築した。FMMは計算領域をツリー階層的なセルに分割し、静電相互作用を高速かつ高精度に計算する。なお、このFMMは空間分割法で並列化された。MTSではLiouville演算子の高次展開法を用いてFMMにおけるセルの階層に適用できるようにした。この手法を用いて7,8-dihydro-8-oxoguanine(8-oxoG)を含む8-oxoG DNAの分子動力学を実行した。その結果、8-oxoG付近で主鎖角-がB構造,グリコシド結合角がhigh-構造,が異常に低い構造をとることがわかった。また、主成分解析により8-oxoG付近の水和構造の変化が8-oxoG DNAの構造遷移のきっかけとして働いていることがわかった。